FC2ブログ
「司法取引」  ジョン・グリシャム著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「司法取引」 ジョン・グリシャム著

0
司法取引。日産自動車の前会長カルロス・ゴーンが金融商品取引法違反の罪などで起訴された事件で、司法取引という言葉が使われました。東京地検特捜部が捜査に協力した日産の幹部2人には不起訴処分にしたそうです。「司法取引」には2種類あるとインターネットに書いてありました。曰く「アメリカなどで採用されている、自分の犯罪を認めれば認めるほど恩恵が受けられる制度がひとつ。日本の司法取引は他人の犯罪を明らかにするこ...
「数字を一つ思い浮かべろ」  ジョン・ヴァードン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「数字を一つ思い浮かべろ」 ジョン・ヴァードン著

0
ニューヨーク市警で数々の何事件を解決し業界のヒーローだった退職刑事の元に、友人から相談が持ち込まれた。友人が持ち込んだ封筒の中には「数字を一つ思い浮かべろ」と書かれた紙切れ一枚。連続殺人の始まりだった。プロローグで事件と犯人が暗示される。性格の歪んだ男と母親らしい老婦人の会話から、陰鬱な雰囲気で小説は幕をあける。主人公は、ニューヨーク市警を退職した47歳のデイヴ・ガーニー。彼は妻とニューヨーク州デラ...
「ニック・メイソンの脱出への道」スティーヴ・ハミルトン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ニック・メイソンの脱出への道」スティーヴ・ハミルトン著

0
殺し屋、ニック・メイソンものの第二作。臨場感たっぷりの暴力が結末に向って二転三転しながら突っ走る。イヤな仕事をしなければならない男の苦しみと悲しみが家族への愛にかぶさり、ハードボイルド調で展開する。時を忘れて読みふけってしまう好作品だ。本作「ニック・メイソンの脱出への道」は前作を読んでおくと、流れを追いやすい。前作では、幼友達をかばってシカゴにある刑務所で、ニック・メイソンは25年の刑に服していた...
「償いの雪が降る」  アレン・エスケンス著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「償いの雪が降る」 アレン・エスケンス著

0
ミステリを読む醍醐味は謎解きだ。加えて文章と展開がテンポよく進むこと。これがないとページターナーの楽しみに到達できない。このミステリは謎解きに時間制限を加えているので、テンポと躍動感がうまく絡み合っている。著者が本作品で多くの賞を獲得したと「あとがき」にあるが、文句なしに頷ける。主人公は21歳のジョー・タルバート。ミネソタ大学の学生で、大学の近くでひとり暮らしをしている。郷里に残した家族だが、父親...
「用心棒」  デイヴィッド・ゴードン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「用心棒」 デイヴィッド・ゴードン著

0
「二流小説家」を書いた著者の新作。主人公はNY、ストリップクラブの「用心棒」。題名はベタな感じ。名前もジョー・ブロディー。これもベタ。ブルーザー・ブロディ(プロレスラー。読書家でプロレスラーにまる前は酒場の用心棒をしていた。メキシコで刺殺された。)を連想し、主人公の名前だけで血生臭さが漂っている。小説の主人公の経歴もハーバード大学を中退し、陸軍特殊部隊を退役、趣味は読書、ドストエフスキーときた。ジ...
「ニック・メイソンの第二の人生」スティーヴ・ハミルトン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ニック・メイソンの第二の人生」スティーヴ・ハミルトン著

0
前作、「解錠師」は金庫破りを主人公にして、恋愛を絡ませた読み応えのある小説でした。読書日記は:http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-2739.html本作は、題名の通り、強盗殺人の罪をひとりで背負い、刑務所で懲役25年の刑に服しているニック・メイソンの第二の人生を描いています。メイソンは、刑務所に服役して5年。同じ刑務所で服役しながらシカゴの暗黒街と法の世界を支配している大物ダライアス・コールと...
「マリーンワン」  ジェームス・W・ヒューストン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「マリーンワン」 ジェームス・W・ヒューストン著

0
アメリカの大統領がホワイトハウスの芝の上を歩き、手を振りながらヘリコプターに向う。そのヘリコプターがマリーンワンと呼ばれているそうです。アメリカの大統領が乗るジェット機はエアフォースワンか。大統領が手を振って歩く映像を見ていると、その笑顔の奥に何があるのかと考えてしまいます。中国にから輸入する物品にかける関税の引き上げを予告しているが、中国は沈黙を保っている。いつでも声高に騒ぎたてる中国が沈黙を守...
「冬の炎」グレン・エリック・ハミルトン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「冬の炎」グレン・エリック・ハミルトン著

0
元レンジャーのバン・ショウもの。第2作です。1作目の「眠る狼」で主人公、バン・ショウの生い立ちが明らかにされました。彼は腕の良い泥棒の祖父に育てられ、祖父から泥棒の手ほどきを受けました。18歳で陸軍に入隊。レンジャーの一員としてアフガニスタンやイラクで戦闘に参加。除隊後、帰国すると最愛の祖父が殺されていた、という状況でした。その読書日記は:http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-4486.html...
「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン著

0
ロンドン、ヒースロー国際空港のビジネスクラス・ラウンジで、アメリカ人の若き実業家がアメリカ女性に軽い挨拶をしたのがきっかけで話が弾みます。実業家はジョークで「機内で、殺人計画をたてる」と言ってしまった。二人は偶然にも、同じ便。ボストン行きの機内で、女性は実業家と彼の妻の殺人計画を練り始めるのだった。小説は、3部で構成されていて、第1部は計画が動き出す背景として、ヒースロー国際空港で知り合ったアメリ...
「シンパサイザー」 ヴィエト・タン・ウェン著…スパイが見た祖国
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「シンパサイザー」 ヴィエト・タン・ウェン著…スパイが見た祖国

0
「私はスパイです。……スリーパーであり、秘密工作員。」冒頭、主人公の独白で始まります。小説が描き出す時代、サイゴン陥落は1975年。テレビでみた映像は記憶に残ります。一台の戦車が大統領官邸に突入。屋上から旗を振る黒い映像の兵士。そのベトナム戦争での戦闘を描いた「地獄の黙示録」や「フラトーン」では違和感が残ったものです。戦闘があったジャングルの風景は果たしてベトナムなのかと。ベトナムを旅行しても密林を...
「地下鉄道」 コルソン・ホワイトヘッド著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「地下鉄道」 コルソン・ホワイトヘッド著

0
南北戦争は1861年から1865年にかけて行われたが、この小説は南北戦争以前の1830年代を舞台にしている。ジョージア州のプランテーションに住む15歳の奴隷少女、コーラが主人公。彼女は同じプランテーションの奴隷青年に自由州である北に逃亡しようと誘われる。当時、奴隷たちの逃亡を助ける秘密組織「地下鉄道」があった。その組織の力を借りて、北に逃げようというのだ。この小説をただ単に歴史小説、記録文学にしな...
「晩夏の墜落」 ノア・ホーリー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「晩夏の墜落」 ノア・ホーリー著

0
出版社が「傑作サスペンス」だと自画自賛している小説です。なんだか小売店が販売の商品を「好評発売中」と言っているような感じ。「傑作」「好評」は読者が決めてもいいのに。アメリカ、ケープコッド沖のマーサズ・ヴィニヤード島を飛び立ったプライベートジェット機が、離陸して18分後に墜落した。乗っていたのはアメリカの著名なメデイィア王の家族や銀行家夫妻、画家など。同乗していた画家、バーローズはメディア王の子息を...
「眠る狼」 グレン・エリック・ハミルトン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「眠る狼」 グレン・エリック・ハミルトン著

0
謎解きと迫力あるアクションで評判の著者の第一作です!これから活躍しそうな新人の小説に巡り会えた嬉しさを味わえました。読書好きの者の余禄かな?海外にいる主人公、バン・ショウ(陸軍、レンジャー隊員)は祖父の「家に帰ってきてほしい、できることなら」との連絡を受けて、休暇をとってシアトルに戻ってきた。ここだけみればジャック・リーチものを思い起こすが、そのリーチが本作を「初級ホームラン」と賛辞を送っている(...
「棺の女」 リザ・ガードナー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「棺の女」 リザ・ガードナー著

0
本書のテーマは誘拐、監禁ののち救出された女性のその後の人生。一般的には救出されれば一件落着だが、当事者たちは誘拐、監禁で精神的に犯人の支配を受けた後遺症を抱えたまま生きなくてはならない地獄が始まる。重いテーマだ。ボストン市警殺人課女性刑事D・Dが一方の主役の描写は3人称で描かれる。監禁された女性、フローラは1人称。告白調で書かれる人物の描写。それぞれが交互に展開してゆく。発端は、ガレージで黒焦げに...
「ノーノー・ボーイ」ジョン・オカダ著、踏み絵を拒否した若者の苦悩
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ノーノー・ボーイ」ジョン・オカダ著、踏み絵を拒否した若者の苦悩

0
題名の「ノーノー・ボーイ」の背景はいささか長くなりますが……。日本の真珠湾攻撃(1941年12月8日)のあと、アメリカのルーズベルト大統領が1942年2月に発出した行政命令に由来するそうです。「日本人を祖先とするものは敵性外国人」だとする行政命令で、この結果、約12万人の太平洋沿岸に住む日本人を祖先とする人たちが全米10箇所の収容所に強制的に入れられました。アメリカ合衆国政府は、収容所に入れられた人...
「終わりなき道」ジョン・ハート著、物語の展開力に感動!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「終わりなき道」ジョン・ハート著、物語の展開力に感動!

0
舞台はノース・カロライナ州の十万人が住みシャッター通りが広がっている都市。郊外には住宅地が広がっている。その先には刑務所がある。女性を殺したとして服役していた元警官、エイドリアンが13年ぶりに釈放される。時を同じくして、かってエイドリアンを師と仰ぐほど慕っていた同僚だった女性警官、エリザベスは社会の激しい批難を浴びていた。拉致された少女を救助する際、犯人の男2人を射殺してしまったのが人種問題化した...
「偽りの襲撃者」サンドラ・ブラウン著、しゃれた会話と練った構成!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「偽りの襲撃者」サンドラ・ブラウン著、しゃれた会話と練った構成!

0
プロローグはテキサス州、犯罪の現場。ホリー・スペンサー判事は規制線から離れ、自分の車に戻ると、後部座席から忍び込んだ血まみれの男が起き上がり車を出せと迫る。この発端は迫力がある。主人公はこの2人。血まみれのテキサス・レンジャー、クロフォード・ハントと判事のホリー。物語は4日前に戻る。ハントは娘の養育権の審判を受けている。そこに男が乱入し、銃を撃つ。巻き添えで廷吏が死亡する。ハントは殺人犯を屋上まで...
「転落の街」 マイクル・コナリー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「転落の街」 マイクル・コナリー著

0
ロス市警強盗殺人課刑事ハリー・ボッシュが主人公。一度、退職し、再雇用された60歳の刑事だが、腕はめっぽういい。上司にはズバズバとものを言い、女性にもモテル。ボッシュ刑事が割り当てられたのは未解決事件を再調査するという冴えない役割だ。その未解決事件とは、20年前に発生したレイプ殺人事件だ。捜査を始めると、当のボッシュにロス市警のトップから、発生したばかりの別の事件を捜査せよとの命令がある。その事件と...
「ミスター・メルセデス」 スティーヴン・キング著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ミスター・メルセデス」 スティーヴン・キング著

0
冒頭からメルセデスが登場します。市民センターで就職支援の行事があり、深夜から就職先を求める人たちが集まります。早朝、大群衆のなかに装甲車のようなメルセデスが突っ込み、人々を跳ね飛ばし、ひき殺す。ここがプロローグのような章立てです。極めて丁寧に書かれています。子連れの女性、仕事を求めにやってきた男。この二人はメルセデスにひき殺されるためにだけ登場するのですが、人物描写に手を抜かない。犯人は逃亡。事件...
「屋根裏の仏さま」ジュリー・オオツカ著…写真花嫁の小さな喜び!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「屋根裏の仏さま」ジュリー・オオツカ著…写真花嫁の小さな喜び!

0
日本人のアメリカ本土への移民は今から127年ほど前から行われたとある。現在、日系人は120万人。総人口の0.4%。この小説は約100年前、アメリカ本土で移民として働いている男たちと結婚するために太平洋を船で渡った女性たちの物語。写真だけで結婚相手を決め、夫となる人と会う。夫は写真と全然似ていない人であったりする。「友達の写真を借りた」「20年前の写真だ」と。現実に直面しても、ここまできてしまったの...
「生か、死か」マイケル・ロボサム著のラストで涙!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「生か、死か」マイケル・ロボサム著のラストで涙!

0
テキサスにある刑務所で刑に服していたオーディは出所前夜に出獄する。この冒頭の脱獄場面が非常に迫力あります。あと10時間も待てば、刑務所を出て自由になれるのになぜ? すぐに惹きこまれてゆきます。オーディは10年前に現金輸送トラックから現金を強奪した4人組のたった一人残った犯人として捕らえられ、服役していた。強奪された700万ドルの行方はわからない。物語はオーディの脱獄後の行動を追いながら、オーディの...
「犬の力」 ドン・ウィンズロウ著は裏にいる巨悪を描き出す!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「犬の力」 ドン・ウィンズロウ著は裏にいる巨悪を描き出す!

0
評判の「ザ・カルテル」を読もうと思ったら、この「犬の力」を読んでからにしろ。「ザ・カルテル」は「犬の力」の続編だからと「ミステリーレビュー」(週刊文春 2016.6.16)。2010年の「このミステリーがすごい!」第一位獲得作品だ。長編。アメリカの麻薬取締局捜査官、アート・ケラーが単身メキシコに入り、麻薬の取締に着手する。だが、激しい裏切りの連続。それは小手先の出来事で、国自体が麻薬に絡んでいる事実に...
「あたし、髪が伸びるの速いから」、O・ヘンリー「賢者の贈りもの」
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「あたし、髪が伸びるの速いから」、O・ヘンリー「賢者の贈りもの」

0
朝日新聞の一面、「折々のことば」鷲田清一(2016年12月10日)に「あたし、髪が伸びるの速いから」と掲載されていました。「貧しくて懸命に節約にはげむ若夫婦。それでもクリスマスには伴侶に贈りものをと、妻は美しい髪を切り……」短編小説「賢者の贈りもの」オー・ヘンリーは何度読んでも、ラストで大きなため息をつき、涙が流れる。ニューヨークを旅行したとき、オー・ヘンリーが小説を書いたカフェ「ピーツ・タバーン」...
「米朝開戦」マーク・グリーニー著…北朝鮮の動きを予見した一冊!
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「米朝開戦」マーク・グリーニー著…北朝鮮の動きを予見した一冊!

0
2011年12月17日に金正日は死亡したと伝えられています。その後の北朝鮮の動向については各種予測が飛び交いました。竜谷大教授の李相哲氏は「お飾り正恩体制もって3年」と2011年12月23日に朝日新聞のオピニオンで意見を述べました。産経新聞も2012年4月15日の一面トップで「正恩体制 はや窮地」と伝えています。金正恩が政権を引き継いだ時の北朝鮮経済は、先軍政治の後遺症や国際的な孤立、経済の中国属...
ノーベル文学賞作家の「つつましい英雄」 マリオ・バルガス=リョサ著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

ノーベル文学賞作家の「つつましい英雄」 マリオ・バルガス=リョサ著

0
今風のミステリは騒がしい! 著者の文章は真逆。リラックスし落ち着いた文章に、読後、高揚感を得た小説でした。リラックスと高揚感。相容れぬ感情に陥った理由はなんだったのか? それにはまず、あらすじを紹介します。舞台はペルー北部の都市、ビウラと首都リマです。ビウラでは下層階級の出身、55歳の小男、ヤナケが主人公。勤勉に働いた結果、運送会社を経営し、息子も2人います。そんな平和な生活だったのですが、運送会...
「証言拒否 リンカーン弁護士」マイクル・コナリー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「証言拒否 リンカーン弁護士」マイクル・コナリー著

0
弁護士、ミッキー・ハラーが主人公のハードボイルド。「訳者あとがき」によれば、ハラーが主人公の小説では4作目だそうな。リンカーン弁護士という題名は、主人公のミック・ハラーがリンカーン・タウンカーを事務室代わりに使いながら、ロスアンゼルス市内の関係先を回っていることから由来するらしい。今回は、元教師でシングル・マザーのリサが殺人容疑で逮捕される。その刑事弁護を依頼されたハラー弁護士が、圧倒的に不利な状...
「弁護士の血」 S・キャヴァナー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「弁護士の血」 S・キャヴァナー著

0
落ちぶれた弁護士がニューヨークで、酒びたりにになって暮らしている。妻には去られ、娘も妻と暮らしている。このような並の舞台、並みの人物設定だが、実に読ませる。それは知的に緊迫した法廷劇の間に、アクション活劇がたっぷり仕込んであるからだ。それゆえ、「弁護士の血」という一見意味不明な題名よりも、原題の「The Defence」をそのまま使ったほうが似合っている。その落ちぶれた弁護士に仕事が舞い込む。ロシ...
「K―消えた娘を追って」 ベルナルド・クシンスキー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「K―消えた娘を追って」 ベルナルド・クシンスキー著

0
1964年、ブラジルではクーデタが起こり、軍人が権力を握りました。以来、経済成長は輝かしかったのですが、言論の自由は極端に制限され、暗黒の時代となりました。軍事政権は1985年まで続きました。小説の舞台は1970年代。ブラジルで数百人の人びとが消息を絶ちます。サンパウロでも大学の女性助教授が失踪します。ポーランドから移住してきたユダヤ人作家で父親のKが捜索を開始します。そこで日常の中に政府の秘密警...
「停電の夜に」 ジュンパ・ラヒリ著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「停電の夜に」 ジュンパ・ラヒリ著

0
ジュンパ・ラヒリの「低地」(2015年6月15日の日記に読書感想をアップ)を読んだことがあった。著者の類まれな観察力を透明感あふれる文章で魅力たっぷりな小説だった。本を置いてから、じっと我が身を考えさせる時間を作らせる魔力もあった。http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-3572.html昨年11月14日の朝日新聞の「再読」という欄で「停電の夜に」が紹介されていた。著者の初期短編集で、この作品によ...
「ありふれた祈り」 W・K・クルーガー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ありふれた祈り」 W・K・クルーガー著

0
本書の版元や主要週刊誌の小説書評欄はでミステリとして紹介されていました。読み進めてみると……文章が鋭利で、ミステリというよりも純文学の傾向が強い小説でした。舞台はアメリカのミネソタ州。時は1961年の夏です。 その時、少年だった主人公が、40年後の2001年から当時の出来事を回想します。1961年の夏……日本では西成の暴動があり、海外では東ドイツが東西ベルリンの教会を封鎖しました。そして2001年は9...
「八百万の死にざま」 (L・ブロック著) 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「八百万の死にざま」 (L・ブロック著) 

0
ニューヨークの私立探偵のスカダーはアルコール中毒気味だ。「酒を断つ会」の会合に積極的に参加しているが、皆の前で「私はアルコール中毒者です」と言えない。彼のところにキムという白人の売春婦がやってきて、黒人のヒモのチャンスと問題なく手が切れるようにしてくれとの依頼を受ける。スカダーは仕事を受ける。チャンスと話し、キムは自分の意志で問題なく仕事から足を洗えると分かる。だが、彼女は惨殺される。チャンスは嘘...
「スナイパーの誇り」 S・ハンター著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「スナイパーの誇り」 S・ハンター著

0
スナイパーのスワガーものです。今度は第二次世界大戦末期、ソ連には伝説の女性狙撃手がいた。戦後、彼女の名前は記録から抹殺されていた。なぜ、抹殺されたのかをスワガーは女性ジャーナリストとともに、ウクライナで実地調査する。現在のスワガーの調査と1944年当時の女性スナイパーを取り巻く戦争を交互に描いてゆく。スワガーの会話にセンスがあり、とても魅力的だ。構成が秀逸。スワガーとジャーナリストが調べた結果はこ...
「リンカーン弁護士 判決破棄」 M・コナリー著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「リンカーン弁護士 判決破棄」 M・コナリー著

0
時代は2010年初め。ハラー弁護士はロスアンゼルス郡の検事長から特別検察官として24年前に起こった少女誘拐事件の再審を担当するよう依頼される。逮捕され、24年間服役してきた犯人が無罪を主張し、判決が破棄され、差し戻されたためだ。これまでは刑事事件の弁護人をしていたハラーが原告側代理人となる。条件はハリー・ボッシュ刑事を調査員として雇用すること。対する、弁護側は有能なロイス弁護士。これまでとは立場を...
「ハリー・クバート事件」 ジョエル・ディケール著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ハリー・クバート事件」 ジョエル・ディケール著

0
著者のジョエル・ディケールはジュネーブ生まれで若干30歳。本作で一気にスター作家の仲間入りをしたそうです。舞台はアメリカのニュー・イングランド。時は2008年2月。主人公、ゴールドマンは二年前の26歳でベストセラーを1冊出した。2冊目が書けないまま、2年がすぎた。ゴールドマンは大学時代の恩師で著名な作家、ハリー・クバートに助言を乞おうと、ニュー・イングランドにあるオーロラという地を訪れる。後日、著...
「もう年はとれない」 ダニエル・フリードマン著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「もう年はとれない」 ダニエル・フリードマン著

0
著者はダニエル・フリードマン(東京創元社)です。タイトルで手に取って、主人公が87歳! 一気に親近感が増し、購入しました。日本では退職すると、「早く死ななきゃいかんよ」と、テレビ局やお上から攻めたてられますが、アメリカでは違うのかしらん。テーマ、主人公、ユーモアを感じさせる文章とともに、年寄りがガンガン活躍するユニークな小説です。主人公は87歳のメンフィス警察署の元刑事。かなりの皮肉屋だが、当然、...
「低地」  ジュンパ・ラヒリ著
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「低地」  ジュンパ・ラヒリ著

0
静謐な文章から唸るような憤りが現れます。アメリカ、ロードアイランドの荒涼とした景色を背景に、正義とは、愛とは、信頼とは、人生の基本的な問題を真正面から描き出しています。読んでいて気がつくと涙が頬を落ちている。静かにため息をつき、涙をぬぐうことが何度あったことか。この小説の品性、真面目さに打ちのめされました。配偶者が、兄弟が、子供が、正義のために死ぬ。残された者たちはその影を引きずって一生を過ごす。...
「時限紙幣」 ロジャー・ホッブス著 (文藝春秋)
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「時限紙幣」 ロジャー・ホッブス著 (文藝春秋)

0
オビに「英米のミステリ賞を総なめ 25歳の天才作家、登場」とあります。訳者のあとがきは冒頭「昨年、アメリカのミステリー界、いや、世界のミステリー・シーンに鮮やかなデビューを飾った話題の超新星……」とあります。また、「辛口批評で知られる書評家ミチコ・カクタニがニューヨーク・タイムスの書評で、……われわれ読者の心を鷲づかみにして離さない……才気あふれる若きクライム・ノヴェル作家の登場である」とべた褒めです。...
「移動祝祭日」 アーネスト・ヘミングウェイ著 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「移動祝祭日」 アーネスト・ヘミングウェイ著 

0
今は「ぼっち席」がないと、食堂も流行らないそうです。ヘミングウェイやパリジャンは今の日本の若者の食事風景をみたら驚いて失神するでしょうな。語らいながら食事をすることこそ楽しいのに、「ぼっち席」で10分で食事をすませるなんて、食事とは言わない、と。ヘミングウェイが1921年から1926年までの間、パリで暮らしたエッセイです。当時、22歳から27歳。ジョイス、フィッツジェラルドなどとの交友や創作の苦悩...
「ハイスピード」 サイモン・カーニック著 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ハイスピード」 サイモン・カーニック著 

0
朝、起きた時、険しい顔をしているのか、それとも虚しさを感ずるのか、あるいは、これから始まる未来に期待を持つのか。起きてしまえば、寂寥感も未来もすぐに忘れ、前日、ジムで筋トレをやりすぎた胸筋の痛さを感じながら、コーヒーを一杯……こうやっていつもとは変わらない一日が始まります。この小説は、若者が目覚めると、隣に恋人の首なし死体があるというのです。そのストーリーは……。金曜日の朝、元イギリス軍兵士の若者が目...
「ブラック・フライデー」 マイクル・シアーズ著  
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ブラック・フライデー」 マイクル・シアーズ著  

0
ウオール街で花形トレーダーとして活躍していたジェイスンは不正行為により、2年間服役する。出所すると元モデルの妻も子供も消えていた。そんな時、証券会社の最高責任者から、事故死した社員が関わっていた取引の問題点を見つけるように依頼される。妻と自閉症の息子を探しながら、依頼された調査を進めるうちに、問題はドでかい金融スキャンダルに突き当たる。ジェイスンと父親との交流が胸を熱くさせ、新しく知り合った美貌の...
「ネルーダ事件」 ロベルト・アンプエロ著 (早川書房) 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ネルーダ事件」 ロベルト・アンプエロ著 (早川書房) 

0
本作はアメリカで2012年に、ドイツで2010年に、ミステリ・ベスト10に入っている作品だそうです。作者はチリで大人気作家とのこと。ラテン・アメリカの小説というと、生活環境や地理的な問題からとっつきにくさがありました。本作「ネルーダ事件」はエキサイティングであり、質的に高い故に最終ページを閉じても余韻に浸ることができました。チリのアジェンデ政権が崩壊する時(1973年9月)を軸にして物語は進行しま...
「あの日、パナマホテルで」 ジェイミー・フォード著 (集英社) 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「あの日、パナマホテルで」 ジェイミー・フォード著 (集英社) 

0
この小説を手にしたのは2度目。アメリカでは、ベストセラーとなったこの小説に感動し、シアトルを訪問する人は多いのだと巻末に記してある。実在する「パナマホテル」や小説に登場する建物を巡るツアーもあるそうだ。それほど、アメリカでは人気を博している小説だ。この小説の魅力は中国系少年と日系少女の恋を泥臭く描いた点にある。太平洋戦争中のシアトルの暮らし、白人の有色人種や黒人への意識、中国料理を通じ、過去と現在...
「ビッグ・ドライバー」 ステォーヴン・キング著 
No image
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「ビッグ・ドライバー」 ステォーヴン・キング著 

0
日本でも大人気の作家です。中編小説、2編「ビッグ・ドライバー」と「素晴らしき結婚生活」が収められています。「ビッグ・ドライバー」は、30歳代の女性作家が講演会帰りに暴漢に拉致され乱暴されます。女性作家は打ちのめされるが、心身ともに回復するにつれて、事件は巧妙に仕組まれたものに違いないと推理する。そして、暴漢に復讐を企てる物語です。 女性作家が拉致され、乱暴を受けるまでの描写はリアリティ、文章の冴え...
「解錠師」 スティーヴ・ハミルトン著 
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「解錠師」 スティーヴ・ハミルトン著 

0
日本語にしたタイトルやキャッチコピーはしょぼいが、傑作です。いい意味で、嘘をつかれました。主人公は20歳代後半、刑務所に服役中の男性の回想で進行します。その主人公は8歳の時に事件に巻き込まれ、精神的打撃を受け失語症にかかっている。少年には二つの才能があった。錠を開くことができること、絵を描くことだ。錠を開ける才能を知った大人は彼を英才教育する。そして大人の身勝手で他人の金庫を開ける少年として育てて...
「あの日、パナマホテルで」 ジェイミー・フォード著  
go to page

Click for getting more details about this entry.

read more

「あの日、パナマホテルで」 ジェイミー・フォード著  

0
電車の中で本を読むことが多いのですが、今度だけは困りました。泣けて、泣けて。読み進めると声を上げて泣いてしまいそうになるので、無理やり本を閉じます。ポケットからハンカチを取り出して涙をぬぐいます。こんな繰り返しです。1週間かかって読み終えました。一日、読んだ分を再度読み直します。感動した文章にマーカーを引き、余白に感想を書き込みます。468ページのうち約50ページにボールペンでのたくった字が躍って...