FC2ブログ

Welcome to my blog

辺利 未来

辺利 未来


ionblue_1802.jpg


著者は2015年の江戸川乱歩賞受賞者。
過疎化が進む関西の小都市に赴任してきた澤登巡査が、大規模開発や縁故に絡んで、警察組織や地方の有力者とのドロドロに巻き込まれてゆく。

新鋭の小説だが、ラスト70ページはド迫力だ。つまり作者が反則技を繰り出したあと、テンポが生き返り、登場人物のキャラも立ってきて、小説が走り出す。

澤登巡査は関西で過疎化が進む都市の獅子追交番に赴任してきた。この交番に自ら異動願いを提出し赴任したのは、警察学校で同期の長原巡査が失踪したから。澤登巡査は内密に真相を追い始める。

大規模開発と平成の大合併で小都市は二分されていた。澤登巡査は上司の強引な引きによって、賛成派に引き込まれてゆく。この辺りの、警察組織のドロドロ、有力者と警察官の癒着などはヘキヘキするほど執拗に描かれる。

ただ、物語の中盤までは澤登巡査の一人称に近い第三人称で進められて、発生する事件への心理描写が少ないので感情移入するのに骨が折れる。ここを越えてしまえば、物語が踊りだす。

作者のとんでも技が発揮され小説が踊りだすのだ。
それまでの巡査にしかなれない青年が、実は、刑事以上の優秀な能力を持っていたというような小さなとんでも技ではない。恐怖の反則技だ。

また、巡査を「交番巡査は警察組織の下っ端で、現場では同じ階級でも刑事のほうが肩で風を切っている」と描くように、末端の存在が集まった交番勤務の巡査が、最高頭脳集団であるかのように描く矛盾も気になる。

地方の疲弊を描いた「空山」 帚木蓬生著の読書日記は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-1096.html


海外旅行記はHP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
http://ikokuno.web.fc2.com/











関連記事
スポンサーサイト

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply