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辺利 未来

辺利 未来


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「私はスパイです。……スリーパーであり、秘密工作員。」
冒頭、主人公の独白で始まります。

小説が描き出す時代、サイゴン陥落は1975年。
テレビでみた映像は記憶に残ります。一台の戦車が大統領官邸に突入。屋上から旗を振る黒い映像の兵士。

そのベトナム戦争での戦闘を描いた「地獄の黙示録」や「フラトーン」では違和感が残ったものです。戦闘があったジャングルの風景は果たしてベトナムなのかと。ベトナムを旅行しても密林を見ることは難しい。旅行者の私の目に入るのは水田の風景、まばらに木が生えた山々。

そのベトナム旅行日記は……15回、アップしました。:
http://ikokuno.web.fc2.com/in_asia_others_2014.html


さて、小説は「私」が告白する物語で始まります。
ベトナム、バンメトートで生まれた「私」は故郷が革命軍の地に落ちたことを知る。
ベトナム戦争末期、南ベトナムの秘密警察長官の片腕として辣腕を振るった大尉こそ「私」。実は北ベトナムのスパイだ。

サイゴンが陥落すると将軍はグアム、カルフォルニアに逃げる。「私」も一緒に逃げ、オレンジ郡での将軍の避難生活の動向を北に報告していた。

主人公の「私」は日系人女性と恋に落ち、ベトナム映画の製作にかかわる。将軍はベトナム反攻計画を立て、実施に向かう。ベトナムを救うために南ベトナムの要人の動向を逐一報告していた「私」。ベトナム共産党のシンパサイザー、同調者はベトナムに戻って、革命が行き着いた果ての現実に失望する。

「私」心の内をベトナムの歌手、ファム・ズイやチン・コン・ソン、ドゥク・フイの歌で表すのが胸を打つ。カン・リイの名前が出てこないのが残念だが。
サイゴンでカン・リイのCDを探して歩いた旅行記は:
http://ikokuno.web.fc2.com/h0903_saigon3_honbun.html







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