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辺利 未来

辺利 未来


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著者は前作「中尉」で太平洋戦争中のビルマに駐屯する日本軍の中で中尉の誘拐事件を描いた。人間のむき出しの欲望が繊細に書かれていて注目を浴びました。
「中尉」の読書日記は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-3538.html


本作「いくさの底」は太平洋戦争におけるビルマ戡定の山岳地帯にある小さな村が舞台です。急作りの部隊を引率し、パムヤイ村に向かった賀川少尉はその夜に首を切られて殺される。その2日後には村長までもが同じ手口で殺されます。

急遽、本隊から派遣された副官や部隊の幹部が犯人を捜し始める。日本兵なのか? 村の人間か? それとも中国の重慶軍なのか?

商社出身の将校待遇の通訳の視点で部隊内のそれぞれが疑心暗鬼になってゆく様子が細密画のように描かれる。

重低音のようにこの小説に流れるのは、緊迫した状況下において、人間は相互に理解できるのかがテーマとなっています。胸が詰まり、息ができなくなるようなページが冒頭から終わりまでの約200ページ続きます。この重いページが苦痛ではないのはミステリ仕立てになっているからだ。

本作を読み終わると、太平洋戦争時も現在も、目先のことや体裁だけしか頭にないリーダーによって、兵隊は死んでゆくという事実は変わりないと思わせる。

そんな共感ゆえに、著者は注目を集め始めているのだろう。

小説の舞台、ビルマに入った旅行記は:
http://ikokuno.web.fc2.com/h0706_tachirek_honbun.html




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