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辺利 未来

辺利 未来


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小林清親を知ったのは、杉本章子の同名の小説からだった。
最後の浮世絵師と呼ばれる小林清親が江戸から東京に移り変わる時代のなかでもがいた日々を活写していて、元気が湧き出る小説だ。

背の丈、六尺。純で不器用な大男。このあたりは好きな作家、田中英光に似ている。徳川幕府の微禄の下士だったが、維新とともに暮らしは悪くなるばかり。優柔不断のなかで決断したのは、浮世絵師になること。だが、絵も好きだからという程度で、自信があったわけではない。

浮世絵師になるという決断を、杉本は「新橋ステンション夕景」章で描く。
次の「東京新大橋雨中図」の章で、清親の評価が高まるのだが、そこまでの苦労は厳しい。

その後、の「根津神社秋色」の章で変化する東京の風俗を。そんな時代についてゆけず過去の浮世絵師となってしまった清親がポンチ絵作家なるまでを「浅草寺年乃市」の章で描く。

時代の波に乗れない不器用な男、だが、必死に絵に取り組む姿勢が胸を打つ。またラストが元気をもたらせてくれるのも、この小説を何度も読み返してきた理由だ。直木賞受賞作品だが、その中でも質の高い小説だと思う。

小林清親の「東京新大橋雨中図」は(所有権の関係で)ここにはアップしないが、新大橋に向って、小ぶりになった雨のなか。傘をさして歩いてゆく女性の赤い襦袢の色がなんとも艶かしい。

現在の新大橋は小林清親が歩いた新大橋から離れた森下寄りに建て替えられている。かって新大橋が架かった場所には石碑が残っているだけ。

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北斎、広重が描いた浮世絵の地を歩いた日記(16回アップ)は
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-category-168.html


海外旅行記は、HP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
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