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辺利 未来

辺利 未来


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著者はこの小説で「夢」「努力」というテーマを扱っています。
中小企業だって夢を持っていいはずだ。世界でも群れを抜いた品質を伴う製品を生みだすという夢、そこに向って日常努力する姿を描きます。

著者は手抜きすることなく誠実に描きます。従業員が200人たかだかの中小企業と世界に冠たる日本の大企業との仕事のやり方を巧みに比較しつつ、中小企業が大企業の横暴に耐え、最後に空手チョップで相手をやっつける構図です。

いつの間にか、大企業の嫌なやつにはブーイングを送り、中小企業の職員が打たれても立ち上がる姿に声援を送っていました。泣かせどころでは電車の中さえ涙がでてきて困ったことになりました。

主人公は町工場の社長。
過去、研究者だったときに、主人公の佃が研究開発したロケットエンジンが、打上げ後、失敗したとのトラウマがあります。責任を取って研究者を辞職し、父親が経営していた町工場の社長職を継いでいます。

工場の経営は順調だったのですが、納入先の大手企業の不当な圧力により、お先真っ暗になります。訴訟合戦、佃の会社を援助すると見せかけて、特許を掠め取ろうとする別の大企業。

主人公の会社は内部から離反者がでて、窮地に陥るが……大企業にも佃の会社の品質を認めるまっとうな職員がいて、自社の部品でロケットを飛ばすという夢に近づいてゆきますが……。ヒネリがあります。

泣かせどころは文庫本の365ページあたりかです。忠臣蔵の松の廊下の場面を彷彿とさせます。下請け企業は大企業からみれば、路傍の石にしかみえないのかと、読者のワタシも悔しくなりました。もう完全に主人公の味方です。

別の池井戸作品で読んだような流れです。構成は複雑ではありません。大企業の横暴に耐え続ける中小企業。最終段階で、中小企業の一発の空手チョップで大企業をマットに沈めるのですから、カタルシスを得られます。

池井戸潤の小説の読書日記(4冊)は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-category-127.html


海外旅行記は、HP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
http://ikokuno.web.fc2.com/









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