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辺利 未来

辺利 未来


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現在、日本が抱える政府の累積債務は1000兆円を超えている。
このままゆくと、財政的に破綻するのは必定。この現実を踏まえた小説だ。

総理大臣は年間100兆円の国家予算を50兆円に削減して、財政破綻を食い止めようとする。

現在の歳出の内訳は、100兆円のうち、社会保障関係費33%、地方交付税交付金16%。この二つで49%を占める。ここに大鉈を振るわないと、財政再建はできない。

半数以上の高齢者に対しては年金支給の一時停止と給付額を半額以下にする。現役世代の年金徴収額は3倍増。健康保険料の増加。医療費自己負担額の倍増。これらで対応しようとする。

ちなみに、公共事業費は6%、防衛費は5%、国家公務員給与も5%だからここに手をつけても、歳出は減らない。

小説の大法螺だと思うかもしれないが、小説のほうが現実的で、財政に手をつけない現実のほうがトンチンカンなのだ。

小説の設定はまだ甘い。
少子高齢化の問題が書かれていないからだ。
財政に手をつけなくとも、週刊東洋経済(2018.4.7)によれば、20年後には人口が1億人を割り、その結果、住宅価格は半分になり、インフラが朽ち果て水道料金は6割アップ、保険料も4割アップする。

小説では……懸案を長年放置してきた日本の財政問題を解決しようとする総理大臣だが、ツケを支払い過酷な生活をしなければならない国民から支持されず、総選挙で敗北する。

ラストで著者は改革案を支持する大学の准教授にこういわせる。
「(国民は)未来なんてどうでもいいんだよ。救ってほしいのは自分たちなんだよ。次世代のことなんかどうでもいいんだよ。人の営みが続くことを考えないバカばっかりだ。……有権者は今の生活維持だけに関心があったのだよ」

日本が世界の経済大国である仮面はそろそろ剥いで、現実的な対処が必要な時期だ。いつ預金が封鎖されてもいいと準備をしている人もけっこういるのだろう。

真山仁の小説読書日記(ハゲタカ、ベイジンなど6回アップ)は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-category-123.html


海外旅行記は、HP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
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