FC2ブログ

辺利 未来

辺利 未来


warauotoko1811.jpg


本作は「警部ヴァランダー」シリーズの第4作です。

シリーズの「リガの犬たち」の読書日記は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-4821.html


シリーズの「殺人者の顔」の読書日記は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-entry-3548.html


冒頭、警部ヴァランダーが前作「白い雌ライオン」の事件で正当防衛とはいえ、人を殺したトラウマで、社会復帰しようにもできないでいる姿が描かれる。北の荒涼とした風景がヴァランダーの心象と重なって、もがき苦しむ心が胸を打つ。

療養先に馴染みの弁護士が訪ねてくる。
その弁護士の父親も弁護士だが、自動車事故で亡くなった。だが、亡くなり方に不審な点があるので、調べてもらいたいと。そのとき、ヴァァランダーは警察を辞めると決めていたので、弁護士の助けを拒絶してしまう。後日、その弁護士もオフィスで撃ち殺される。

ヴァランダーの心に火がついた。
警察署に復帰し、この事件を自ら担当したいと上司に申し出るのだった。

著者が主人公ヴァランダーの内面を冒頭で描いた理由が、読んでゆくうちに明かされてくる。それは前作までの仕事一途だった男の変化だ。友人に対する気持ち、女性を軽くみる仕事社会への反感の芽生えなど、これまでのヴァランダーの心の位置づけを変えている点にある。

もちろん、この小説は警察小説だ。
そこに仕事だけでなく人間としての色をつけた物語になっていて、読者は事件の展開とともにぐいぐい引き込まれてしまうのだ。

どんでん返しはない。
描き方も章の冒頭に3人称でヴァランダー以外の人物の視点が現れるほかは、ヴァランダーの3人称で進められてゆく。犯人側の視点がなくとも息を飲むjほどの緊迫感を表現できるのだ。

著者はヴァランダーが窮地に陥るたびに読者に考えさせるように仕向ける。
乾いた文体とともに、このシリーズは病みつきになりそうだ。

海外旅行記は、HP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
http://ikokuno.web.fc2.com/










関連記事
スポンサーサイト

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply