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辺利 未来

辺利 未来


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骨太の小説だ。
主人公のヨハンソンは国家犯罪捜査局の長官のポストを最後に退官した。
「好きなモノをたらふく食べるぞ」
退官後、リラックスして、ストックホルムで好きなソーセージを食べようとしたが……イチバンのソーセージ屋に寄り、一口齧ろうとしたところで脳血栓に襲われ倒れてしまう。

病院で美しい医師に治療を受ける。医師は「二十五年前に未解決となった事件があった。牧師の父親が死ぬ間際に事件解決の手がかりを残した」と語る。当時9歳の少女がレイプされて殺された事件だった。

国家犯罪捜査局の長官だったヨハンソンは脳塞栓のリハビリと戦いながらも時効が成立してしまった殺人事件の犯人を追い始める。

動けないヨハンソンがいかにして犯人を追ってゆくのか?
ここがミソだ。元部下に知恵を授けて動かし、物語を展開させるのだが、25年前のおぞましい出来事と現在の追跡をリアリテイ抜群で描く。

一直線に犯人に迫ってゆくのだが、その先に見えるのはなにか?
時候の壁だ! 著者が壁をいかに突破するのか。息を呑む展開となっている。

今風の小説ならどんでん返しの一つや二つあるものだが、犯人に突き進み、対決する。長い566ページの物語をヨハンソンから見ただけの視点で緊迫感を持続っせたまま進めてゆく。

また、夏の夜のストックホルムや故郷の荒々しい風景が読者の脳裏に浮かぶように描き出される。食べ物も美味しそうだ。焼き立てのソーセージを注文する場面では涎がでそうになった。

老人が登場すると古臭い物語に陥りがちだが、そこは手を打っている。刺青をいれた今風の女性、ロシアから逃れてきた若者を登場させ、ヨーロッパの政治風土も描いている。加えて、語り口がユーモア感たっぷりだ。それでいて小児性愛者の実態や寒気がするような児童施設の管理など社会問題を扱っているからだ。

スェーデン発世界的ベストセラー「ミレニアム」1~5までの読書日記は:
http://hamidashirakuen.blog36.fc2.com/blog-category-175.html

海外旅行記は、HP「海外を旅してみたら、こうだった!」にアップしています。
http://ikokuno.web.fc2.com/
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